私は、17年前に旅行の専門学校を卒業しています。インターネットで自分が好きに旅行組む現代とは少し違って、インターネットが復旧していない当時、旅行に行く際には旅行会社の店舗で主にパック旅行を申込みするのが主流の時代でした。
旅行業界を目指したのは中学生の頃。アメリカにホームステイした際にお世話になったJTBの女性の添乗員さんの凛としてかっこいい姿に憧れを抱いたのがきっかけでした。JTBの専門学校が当時東京にあり、入学希望でしたが、親の反対で自宅から通える専門学校に入学しました。
就職はもちろんJTBが希望でしたが、当時採用していたのは大学卒者のみ。専門学生の私は対象外でした。凛として華やかなグランドスタッフも希望でしたが、県内の空港では採用しておらず断念。私が就職したのは大手鉄道会社でした。旅行部門のカウンターセールスとして入社しました。
その日から約15年で退社しましたが、旅行業に携わっていたのはそのうちの5年間でした。インターネットの普及により、カウンターセールスが縮小され、数年後にはなくなり、旅行部門はグループ会社に委託されました。私は、カウンターセールスが縮小された段階で鉄道部門に異動となり、鉄道ウーマンになりました。5年ほど現場にいましたが、あとの5年は企画部門で勤務していました。
主にこの5年です。いろいろあり、心身共に疲れてしまいました。これを書くと長くなってしまうのでこれについては後ほど少しづつお話したいと考えています。
私だけでなく、みなさんこそ心身ともに疲れても毎日頑張っていますよね。耐えて耐えて、何度も高い山を越えても、また山はやってくる、毎日会社に行くのが辛くて、眠れない、ベッドでは「明日、目が覚めなければいいのにな」って思う毎日でした。他人に「大変だね。頑張って!」って言われるのが辛いほど毎日頑張っていました。
ここで本題になりますが、ある日突然、すべてのことに諦めがついたんです。
諦めるとは、「もう希望や見込みがないと思ってやめる。断念する。」ということ。
もう、こんな日々を過ごすのは辞めよう。そう思いたち、その日のうちに転職先の候補として2つの会社を決め、自分でアポイントを取りました。その次の週に内定をもらい、上司に辞めることを話し、2か月後に15年勤めた大手鉄道会社を退社しました。
転職してすぐは、隣の芝が青く見え、大手企業の恵まれた福利厚生やボーナスを手放したことが本当に自分のためになったのかわかりませんでした。
でも、あの時の私にはなくて、今の私にあるもの、それは「心の余裕」です。
余裕とは、
1 必要分以上に余りがあること。また、限度いっぱいまでには余りがあること。「金に—がある」「時間の—がない」「まだ席に—がある」
2 ゆったりと落ち着いていること。心にゆとりがあること。「—の話し振り」「周りを見る—もない」
心の余裕を持つことにより、何ができているか。
未来に希望を感じる
人に優しく、人を思いやることができている
ご飯がおいしいと感じる
私が、すべてを諦めて手にしたものはこの3つです。昔は、生きるということは、これらがあたり前にあるものだと思っていたことでした。すべて当たり前ではなかったんです。
30代半ばになって心の余裕を持ててよかったと思っています。こういう選択もあるということを、今会社で辛い毎日を過ごしている方に伝えたい。
未来に希望を感じること、人を思いやり優しくでき、毎日ご飯をおいしく食べれる自分、これからの未来がちょっとだけ楽しみでなりません。